天使

先日勉強会で天使について発表した。大変つかみ所のない話になってしまい、自己嫌悪。

今までの発表の中で最低の自己採点。今まで比較的自分の萌?に引き込み発表していたのだが、今回は急遽引き受けることになり、その勉強会主催に先生の関心のテーマの中から選んだのが敗因だろう。

まあ、それなりにおもしろかったが。所詮人間が考え出した物であるが故に、説も一つに収まるわけもなく、ホントに昔の人はこんな事真面目に議論したのかという方が、不思議でおもしろかった

今回課題図書に選んだのは、
天使論序説 (講談社学術文庫)
天使論序説 (講談社学術文庫)

であるが、これは非常に観念的な本であり、尚かつ「序説」と名を打っているとおり、本論に入っていない議論で課題図書を間違えたという感じ。この作者にとって神の存在は揺るぎない物のようで、そういう点でついて行けない議論になっている。天使の存在を認めるかという議論に対して、(作者は完全に認めているのだが)ジョン・ロックのこのような議論を紹介し、経験主義的なロックもこういっていると展開する。

われわれが創造主の無限なる力と知恵を考慮に入れるとき、非造物の諸々の種が、われわれ(の段階)から下に向かって次第に降下してゆくのが認められるごとく、そのようにまた(それら諸々の種が)緩やかな段階をたどって、われわれ(の段階)から上の方、神の無限なる完全性へ向かって上昇してゆくという事は、宇宙の壮大なる調和と、建築家(神)の偉大なるデザインと無限なる善性にふさわし事なのだ、という風に考える根拠が存在するのである(第3巻6章12節)(板垣 56)

この考え方は当時としては一般的で、Great chain of Beingって奴なのだが、この肉体を持っている存在に上下を付けているのがそもそも気に入らない。現代人としては。

知性は人間にしかなく、動物より高い位置に人間を考えるというのが気に入らない。人間は動物の一種に過ぎないしそこに序列があると考えられない以上、この議論は成り立たなくなるわけだ。

とりあえず、使用した本をリストアップ
天使とはなにか (serica books)
天使像が変化していく過程を歴史的に捕らえている本。第二ニカイア公会議(787年)で天使を人間の形で表してもいいと決まったとか、の記述が参考になった。
天使の世界
天使の世界
番役に立った本。記述も詳しく図版も多い。後半は天使と人間の出会いという事で、UFOとかまで範疇に含んでいる。
天使 (Truth In Fantasy)
天使 (Truth In Fantasy)
入門にはいいかも。とりあえず読みやすく、網羅してある点は評価するが、出典がどこかの明示がされておらず、その情報をフォローするのが難しいので、どこまで信じていいのやらという感じの本になってしまっている。