子供の記憶力

今回の英国2週間の旅、実は私の心を占めていた心配事は、テロへの心配ではなく、子供に忘れられてしまうのではないかという心配だった。

息子には前歴があるからだ。

昨年息子が1歳3ヶ月の時、私が手術を受けるため入院の5日とその後の療養期間、母に預かってもらった事があった。実家は結構遠方、かつ手術の前の準備と後の体力不足を心配し、結果として3週間預かってもらった。

息子はあっさり私を忘れた。

手術後思ったよりずっと経過が良く、るんるんして息子を迎えに行った。息子はちょうどお昼寝中。何時目を覚ますかなと、となりで見ていた。
ら、私の顔を見て泣き出し、私の姉の所に助けを求めに行ってしまった。

がーん。ショック。

「あの、私と君の甘くべっとりとした1年3ヶ月はなんだったの!」と叫びたくなった。

まあ、徐々に思い出したようで、息子はちゃんと私に連れられ私の家に帰ってきたのだが。

という前歴があるので、今回は2週間でしかも2歳9ヶ月と記憶力も良くなっているが、どうか、と心配していたのだ。逆に私の顔を見て「おかーさーん」と飛び込んでくるかもと、わくわくしながら迎えに行った。


私が母の家の中にいるのを、出かけていた息子が外から窓越しに見るという状況での再会となったが、ただ認識した、という感じで部屋の中に入ってきて、そのまま普通通りに遊び始めたのだ。時間感覚というのがあまり子供はないらしいが、ちょっと拍子抜けした再会だった。

自分が母親においてかれたという認識は多少あったのか、その後夫の実家に行きお昼寝中の息子を置いて買い物に出かけたが、帰ってきたら息子は起きてしまっていて(起きるには少し早かったのだが)大泣きして義母を困らせていた。そしてしばらく私からくっついて離れなかった。

トラウマになるといけないなと、思いつつ、今度もし、英国に行くなら一緒に連れて行こうかなと決意。

英国の学会で私が子供を置いてきたというと、「なぜ連れてこないんだ」とよくいわれた。今回はあまりいなかったが、子供連れで参加し講演や論文発表はともかくとして、遠足や登山などに子供と一緒に参加というケースは結構あるらしい。たしかにあの美しい自然の中なら散歩していて楽しいので、是非連れてきたいと思った。