お屋敷もの2
以前、漫画の「エマ」を最近読んでいると書いたが、私の場合召使いに萌えている訳じゃなく、どっちかというとお貴族様が好きなんでしょう。「エマ」に続けて読んでいるのが、(って漫画ばかり読むなよ、ちゃんと研究しろ、という声が聞こえてきそうですが)波津彬子作「うるわしの英国シリーズ」です。今、三冊出ています。
2. 中国(チャイナ)の鳥
3. 空中楼閣の住人です。
この人の作品としては本当は「雨柳堂夢噺」シリーズの方が好きですが、この英国貴族ものも結構いけます。このシリーズに出てくる貴族の独身男性の生活は、映画「理想の結婚」の漫画版という感じ。こういうのを見ていると、よく毎日社交だけやって暮らしていけたモンだなと、感心します。
「雨柳堂」にしても、「うるわしの英国シリーズ」にしても少し不思議な話でそれが、この作者の持ち味だと思います。
英国の貴族が出てくる話を読むたび思うんですが、日本語の「卿」という単語は便利だなー。と。
なぜなら、Sir もLordもみんな「卿」と訳されている事が多いからです。階級社会の英国はこのようなタイトルにとてもうるさくて、階級によってつけなくてはならないタイトルが違うんです。また、貴族の場合自分の名字と爵位の名前が違うし、どちらで呼ばれるかとか、とてもめんどくさい。はっきり言って庶民には(というか通り一遍では)理解不可能。
Sirの場合は名前(First name)の前に付けられるか、フルネームの前に付けられる。(Sir Winston, or Sir Winston Churchill)で名字の前には付かない。のでSir Churchillというのは間違い。Sirは目上の人や、見知らぬ人にも呼びかけで使われるので、結構一般的にも使われる。
Lordの場合は、またまた複雑。面倒なので、ジーニアスから引用(省略)
2.a (Lordを敬称とする)貴族<<候{伯、子、男}爵、公{侯}爵の子息、伯爵の長子>>
3. [L](英)a 卿(きょう)
(1)侯{伯、子}爵の略式の称号、呼びかけも可。
(2)男爵の普通の称号;洗礼名を付けない。
(3)公{侯}爵の(長子をのぞく)子息の儀礼的称号;姓を省いてよい。
なんじゃこりゃ、っと言うぐらい複雑でよく分からない。私の研究対象がお貴族様でなくてよかった。
ということで、日本語の「卿」てのは訳語として便利だな、と思った次第です。