2001年宇宙の旅

この春から教える学校では、今までとがらっと違って「サイエンス」で英語を扱うことにした。といっても本当の「サイエンス」では無く、SF(サイエンス・フィクション)といった場合に使われる「サイエンス」。映画や小説の中で、いかに「サイエンス」が使われているかという切り口の教科書(勿論英語の教科書)を使って、それ以外に映画などを見せようと考えた。

とりあえず導入としては「2001年宇宙の旅」にすることに。

2001年宇宙の旅2001年宇宙の旅



姉にそう言ったら、「あれってセリフあったっけ?」という印象になるぐらい最後の20分ぐらいセリフのない映画である。

しかし、実は英語のリスニングにはいい要素もある。それはHALの存在。

HALはコンピューターなので、実にきっちり、きっちりした英語を話す。これが実に聞きやすい。本当の合成で作られた会話だと抑揚が本来の英語とは違ってしまっていたりして、逆に聞き取りづらいのだが、コンピューターが話すということで、声優さんが話しているわけだから聞きやすいのだ。まあ、設定としては勿論人間ではなくコンピューターが、すべての状況を把握し、会話も、会話のトーンもすべて操れる、コンピューターが話すわけなんだが。

そのようにすごいコンピューターなので、人間と同じように感情が生まれ、自分が「この任務から外されないため」に殺人を犯すことになる。

あの、淡々とした映像で、コールドスリープしている人間の生命維持装置が不能になっていく場面は何度見ても怖い。

やっぱり、ロボットは「ロボット三原則」を教えておかなくちゃ。

ということは置いておいて、HAL9000のセリフの一部をスクリプトにした。
最後の生き残ったクルーDAVE(船外活動で母艦から宇宙にでている)とHALのやりとり。

DAVE: Open the pod bay doors, Hal.

HAL: I'm sorry, Dave. I'm afraid I can' t do that.

DAVE: What's the problem?

HAL: I think you know what the problem is just as well as I do.

DAVE: What are you talking about, Hal?

HAL: This mission is too important for me to allow you to jeopardize it.

DAVE: I don't know what you're talking about, Hal.

HAL: I know that you and Frank were planning to disconnect me. And I'm afraid that's something I cannot allow to happen.

DAVE: Where the hell did you get that idea, Hal?

HAL: Dave, although you took very thorough precautions in the pod against my hearing you, I could see your lips move.