最近見たイギリス映画

アイリスアイリス

これは、イギリスの小説家アイリス・マードックの伝記映画である。若き日のアイリスをケイト・ウインスレットが、年取ってからはジュディ・デンチが演じている。言葉に何よりも敏感だった小説家である妻、アイリス、がアルツハイマーになり言葉を忘れていく様子を夫の立場から若き日の回想を交えながら描いた作品。冒頭の講演でアイリスが話す内容及び言葉がこの映画の基調となっているが、この言葉がアルツハイマーが進むに連れ、どんどん分解されていくのが悲しい。あまり目立つ作品ではないが、非常に優れた映画だと思う。ただ悲しすぎて、英語の勉強の為にと何回も見る気にならない。

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これもジュディ・デンチが出演。老姉妹(姉;マギー・スミス、妹:ジョディ・デンチ)が住む家の前の海岸に若い男が打ち上げられ、姉妹が看病する。姉とは違い恋愛も結婚もせずに老齢を迎えていた妹は男に淡い恋心を抱くが、男は成功を求めて去っていくという話。淡々と描かれるたわいもない話という感じだが、10代の少女のような恋をする老女をジュディ・デンチが好演している。見ていて切なくなってくる。さすがという感じ。マギー・スミスの方はいつもの感じ。

彼女ら老姉妹は中流階級らしく大きなお屋敷に住んでおり家政婦が通ってきている。村人らも彼女たちとは一定の距離を保っている。彼女らと村人との関係や、言葉(発音)の違いをみていると英国社会の様子が見ておもしろい。(少し時代は古い設定なのでこのあたりの階級意識が強く残っているらしい)

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これはイギリス映画なのか、というとよく分からないが、作家の出身が英国だし、一応仲間入り。
なかなか原作の荒唐無稽な筋をうまく映像化しているという点で、おもしろかった。なにしろあのウンパルンパがすごいし、リスのクルミ割りも最高。このあたり本編を見ているより特別編のメイキング映像がおもしろかった。ハイテクなようでロウテクというか、何人ものウンパルンパをひとりの役者が立ち位置を変えて何度も演技しそれを合成しているという気の遠くなる労力に脱帽。ウンパルンパの歌う歌がちゃんとメロディを付けてあるのがいい!!音楽がクイーン風だったり、フォークソング調だったり、これはきっと子供のための映画ではなく、大人のための映画に違いない。

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全然イギリス映画ではないけど、一応イギリスが舞台なので。典型的な話ですが、コリン・ファースフアンにはいい映画でしょう。アメリカで育った17歳の少女が一度もあったことのない父親(イギリスの貴族で政治家)に会いにイギリスに行き、そのイギリス社交界でひと騒動起こすという話。アメリカ人のためのイギリス観光案内的要素もあり、観光地や社交シーズンのイギリス社交界の様子がかなり滑稽に描かれている。見ているとばかばかしい内容も多いが、英語語学要素としては主人公のアメリカの発音と、ライバルとなるコリン・ファースの婚約者とその娘のイギリス発音の違いがおもしろい。

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これもコリン・ファースもの。熱狂的アーセナルサポーターの中学英語教師役。人生をすべてサッカーのシーズンと関連づけて考えてしまう彼と、それを理解できない新任女教師の恋の話。また、いかに英国の熱狂的サポーターができあがっていくかという様子を、初めてサッカーを見に行った子供がどんどん熱狂していくというサブストーリーで展開される。英国の社会を知る上で一回は見てもいいかもしれない。