ゴスフォード・パーク

私の読書会での発表も無事に終わった。小林章夫著「召使いたちの大英帝国 (新書y)」を課題図書にしたため、これを中心にまとめたのでどうも結構明るいメイド(というか家事使用人全般)のイメージにまとまってしまったようだ。参考図書としては

ヴィクトリアン・サーヴァント―階下の世界
ヴィクトリアン・サーヴァント―階下の世界

とかも利用し、奴隷のような扱いの使用人像も分かってはいたが、参考映像として場面をピックアップして見せたのが、「ゴスフォード・パーク (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】」や「日の名残り」という、大きなお屋敷で大人数で組織だって働く家事使用人の姿であるので少し明るい理想的な印象になってしまったようだ。まあ、実際にも娘のようにかわいがられ幸せな方向生活を送った人から、上級使用人にいじめられいやな思いしかしなかった人とか、人によって様々なので、どうしようもないのだが。

「日の名残」の方はスクリプトは取らず、原作の方の引用をしたが、「ゴスフォード・パーク」の方はネット上でスクリプトが簡単に手に入ったので、(スクリーンプレイ社から本「ゴスフォード・パーク (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)」にもなっているし)面白そうなスクリプトを参考に引用した。

階下での食事の様子で、付き添ってきたメイドやヴァレット達がその主人の位に応じて階下での席順が決まるという構造がとても面白かった。つまり年齢とかではなく伯爵夫人に付いてきた小間使い(lady's maid)の方が、男爵夫人の小間使いより上席になるわけだ。

DOROTHY: Everything satisfactory, Mr. Jennings?
JENNINGS: Yes, thank you, Dorothy. They have their drinks. I think we can all take our leisure for half an hour or so. What's this?
RENEE: I believe this is my place, Mr. Jennings.
GEORGE: Oh.
JENNINGS: And since when did a baroness outrank a countess? Miss Trentham, would you take the place of honour, please? Miss Trentham?
MARY: I'm all right here, Mr. Jennings. Thank you.
DOROTHY: Go on. Don't keep him waiting.
JENNINGS: Ah, Miss Meredith. Would you come and sit on my left?
SARAH: Naturally, I'm nothing when there are visitors in the house. Never mind. I'm used to it.

この中でJenningsというのは、この屋敷ゴスフォード・パークの執事。Reneeというのが、男爵夫人の小間使い。Mary(miss Trentham)が伯爵夫人の小間使い。(maryは本当はMaceachranという名字だがTrentham伯爵夫人の小間使いなので、この屋敷に来たときは混乱の無いように主人の名字にmissを付けた形で呼ばれる。)

ゴスフォード・パーク (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】
ゴスフォード・パーク (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】