ゴスフォード・パーク続き

引き続き、ゴスフォード・パーク

ゴスフォード・パーク (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】ゴスフォード・パーク (ユニバーサル・セレクション2008年第1弾) 【初回生産限定】


あの話の中で、階上の人たち(Upstairsつまり主人とその客達)の中で、一人微妙な階級の人が混じっている。アメリカ人は外国人ということで、ゲストや召使いたちの意識から階級意識が外れているらしいが、英国人で中流階級出身の人が混じっているのだ。この場合、かなり居心地の悪い思いをするらしい。

なにしろ、スノッブな貴族達からは勿論、召使いたちからも、見下された扱いをされてしまうのだ。まあ、貴族達はそういう態度に出るのが当たり前とも言えるかもしれないが、召使いたちも主人達と同じ価値観を共有してしまうのが、面白いというか怖いというか。

このゴスフォード・パークというお屋敷にこの映画で集まってくるのは、基本的には親戚関係だ。ゴスフォード・パークの主人の妻の姉妹達がそれぞれ夫を連れてくる。また叔母も来る。主人の関係の方で映画俳優が招かれ、その俳優の紹介で今回初めて来たのが映画監督とそのおつき(といって召使いの世界をのぞこうとした俳優)である。娘のフィアンセ候補とかもやってくる。

その中にどういう関係か今一分からないが、この家族に親戚でお金に困って娘を脅している男が来る。この男が自分の妻を連れてくるのだが、この妻が中流階級出身なのだ。手袋工場経営者の娘らしい。この彼女のことを貴族達はさげすみ、召使いたちも、「侍女なしで来た。ドレスは安物。一枚しかないらしい」と影で噂する。

ELSIE Well, I hate cheap clothes. They're twice the work and they never look as good.
PROBERT I'll murder that dog one day. Look at that. All over his waistcoat.
RENEE What do you expect from a woman without her own maid?
SARAH Lady Lavinia says a woman who travels with no maid has lost her self-respect. She calls it 'giving in'.

Elsieは第一メイドでゲストが侍女を連れずにやってきたときは世話をする。ここで彼女が怒っているのはそのドレスが安物だからどんなに手をかけてもよく見えやしないということである。Sarahは奥様の侍女である。奥様の「侍女も連れずに旅をするなんて、自尊心を失った女だ」という言葉によって自分の価値判断もしているようだ。