カサブランカ
今なぜか英語教育業界は「カサブランカ」ブームである。昨年は「ノッティングヒルの恋人」の出版ラッシュであったが、(これは大学英語教育業界に於いて)この前の秋ぐらいから一般英語教育業界および大学英語教育業界両方で「カサブランカ」の出版がさかんである。
きっと、版権の問題か何かが関係しているのだろう。
大学英語の教科書としてマクミランと鶴見書店が新刊としてカサブランカを予定していたので、とりあえず見てみようと思い500円で出ているのを買って見た。(実はこんなに名作なのに、一回も見たことがなかった。)そして結構いいじゃないと思い、書店をぶらぶらしていたら一般英語業界でも何冊も出ているのを発見。
カサブランカ (別冊宝島 1407 名作映画で英会話シリーズ 2)
みるみる上達名作映画で英会話カサブランカ (COSMIC MOOK)
この二つは見比べたが、DVDがセットになっている等基本形は一緒だが、内容はかなり違った。宝島の方は訳が載っていない。重要表現とかとかは注が付いている。それに対しコズミックの出している方は全訳付き。見開きで左側が英語、右が日本語。この日本語は英語に忠実な訳で字幕とは違う。DVDの字幕にも英語字幕、日本語字幕(字幕用の訳)、日本語の直訳。と3種類入っていてなかなか好感の持てる作り。
私が買った500円のDVDはなんとチャピターが4つしかなく、頭出しに困る設定であったが、これら勉強を歌っているシリーズは両方ともかなり細かくチャピターを区切ってあり便利。
個人的にはハンフリー・ボガードはセリフ回しから行動から気障すぎて好きになれないし、英語はもろアメリカ英語で嫌いだが、イングリット・バーグマンや他の登場人物はヨーロッパ人が多く英語はニュートラルな感じで聞きやすい。変なスラングやきわどい場面も無く、たしかに教室では使いやすい教材であろう。ただ時代背景をかなり説明しないと歴史に興味がない学生には分からないかも。それにしてもこの映画の中のハンフリー・ボガード演じるリックは37歳の設定だが、もっとオッサンにみえる。
まあ、とにかくあの有名なセリフの数々も実物を初めて聞いて納得できた。
"Here's looking at you, kid."
「君の瞳に乾杯」ってのはやはり、名訳だな。
"Where were you last night?"
"That's so long ago, I don't remember"
"Will I see you tonight?"
"I never make plans that far ahead."
大学教科書業界では次には「ローマの休日」も出てきている。ほほほ。個人的にすごく好きな作品だが、ちょっとロマンチックすぎて女生徒にはいいが男子生徒には不向きかも。